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第169回
利益計画は利益目標を決め、どう実現するかを示すもの
2017/12/1


 利益計画とは、企業の収益性に関する管理機能をいいますが、これは、企業利益の極大化を
 図るための方法論にほかなりません。企業の経営方針として、目標とすべき利益率が明示された、
 とすれば、それは、長期間にわたっての平均目標となります。この目標利益率を勘案して来年度に
 おける目標利益率をいくらにするか、また、これをどうやって実現するかを計画したものが、
 利益計画です。したがって、利益計画の多くは、短期の性質をもつものです。
 短期の利益計画は、長期目標を勘案しながら目前の諸条件による制約を考慮に入れて樹立されます。
 たとえば、来期が、かなり好況が見込まれれば、長期の目標利益率は、より高い利益率を
 短期目標として設定するようにします。これは、不況期における目標利益率の低下を相殺するための
 ものであり、こうした配慮がなくては、長期にわたる平均的目標利益率は確保することはできません。
 一方、長期の目標利益率は、短期計画とは異なり、必ずしも目前の利益を最大にすることに
 主眼をおくものではありません。むしろ長期間にわたって安定した適性利益率を確保することに
 主眼がおかれます。
 経済が安定し、将来への予測に対する信頼性が高まれば、長期の利益計画も可能になります。
 その場合は、5年先、10年先の見積貸借対照表の作成もできるようになります。
 特に、資金計画、設備資金計画については、長期の計画をたてることが望ましいといえます。

 <業務のポイント>
  (1) 企業の利益は、企業努力の報償であること
  (2) 企業の利益は、将来の不足の危険に対する保障であること
  (3) 企業の利益は、将来の発展更新に対する準備であること

 以上

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