新事業進出の目的、背景は、市場や技術に由来する不確実性への対応であり、出発点である。
例えば、売上の伸び悩みに対して、売上Upのために新分野の製品をラインUpして市場を
拡大したり、現製品の技術を利用して他分野へ進出したりするのである。
一方、経済産業省は、新事業創出促進法の目的を、次のように述べている。
『この法律は、技術、人材その他の我が国に蓄積された産業資源を活用しつつ、創業等、新商品の
生産若しくは新役務の提供、事業の方式の改善その他の新たな事業の創出を促進するため、
個人による創業及び新たに企業を設立して行う事業を直接支援するとともに、中小企業者の
新技術を利用した事業活動を促進するための措置を講じ、併せて地域の産業資源を有効に
活用して地域産業の自律的発展を促す事業環境を整備する措置を講ずることにより、活力ある
経済社会を構築していくことを目的としている。』
即ち、新事業は、市場や技術由来だけではなく、地域の産業資源の有効利用や地域産業の
自立的発展をも含めて考えていくべきなのである。こういった新事業への進出は、既存の取組方や
構造の範囲に収まらないので、自社内で自力の進出を実行するにしても、小規模な変更や
経営資源を動かす大規模な改革が必要になる。また、それがゆえに、新事業の分野の未知な
部分に経営資源まで手を加えるとなると、どの場合も、例外なく失敗のリスクを持っているので、
慎重に検討しなければならない。
以上
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