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第249回
契約書はなぜ必要なのか1

2024/8/1


  形式ではなく、合意の「証拠」をとるためわが国では、一部の特殊な契約を除き、
 口約束で契約が成立する。契約書は、あくまでも契約したかどうかや、その内容について
 争いが起きたときに、「証拠」としてつくるものだ。したがって、単に形式や体裁を
 整えるためのものではない。もっとも、方便として単なる形式だとか、体裁にすぎないような
 説明がなされることはある。しかし、本音のところから言えば、あえて契約書をつくるのは、
 後で争いが起きたときに備えるためであり、その契約書通りにすることを狙って
 契約書はつくられる。そこで、実務的に契約書によって守られるのは、
 「利益の確保」と、「リスクの回避」だと言える。つまり、その契約でどういう利益が
 得られるのかを明確にすると同時に、予想されるリスクを負わないようにするということが
 契約書作成の目的と考えるべきだ。リスクの回避とは、商取引のトラブルを
 回避することに通じる。

 以上

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