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第25回
M&A・戦略的提携によるリスクと形態
2005/12/1


1.M&Aのリスク

 (1)リスクの種類
   リスクとして考えられるのは、業績不振会社(赤字会社、債務超過会社)の場合、
  簿外負債、裏保証、不良資産が発生した場合である。買収監査時、M&Aの実務経験が
  ある監査法人、あるいは会計士に依頼するが、買収監査でもわからない場合もあり、
  この場合は、契約書に、万一そうした負債が発生した場合の責任の所在について
  明文化しておくことも肝要である。

 (2)買収後の経営リスク
   人材がメインのようなソフト力、技術力のある事業性格の会社の場合、買収後、

  実力人材が大量に退社することがあったりすると、M&Aしたことの何のメリットもなくなる。
  実際、ソフト会社の幹部社員の大部分が退社したケースがある。買収前に、人心が
  不安定にならぬよう、買収側のトップが、売却側の幹部社員に充分に考え方を
  話す機会をつくることがポイントである。

2.M&Aの形態

   株式譲渡、それとも100%譲渡を条件とする場合、特に同族会社、小規模会社の場合は、
  後に問題も起きにくくすっきりするし、そうしたケースが多い。他に、営業譲渡、合併があるが、
  実際のウエイトはまだ少ない。戦略的な提携として、第三者増資で資本参加。1/3以上の
  株式取得から、パートナーとして両者の相乗効果をあげていき、その後、第2段階で合併、
  買収に進むというケースも考えられる。                    以上

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