つらいとき、苦しいとき、私たちはついつい、言わずもがなの愚痴をこぼします。
「ああ、オレはどうしてこんな惨めな思いをしなくてはいけないんだろう。つらいなあ。
苦しいなあ。どうしてオレだけがこんな目に遭わなくてはならないんだろう。悔しいなあ」
といった調子です。もう済んでしまったこと、やってしまったことを嘆いて、
いつまでもウダウダと繰り返すのです。
それが自分に対する反省や自己批判なら役に立ちます。つらさをバネに前へ進もう
という気持ちの表われともいえるからです。悔いて、恥じて「もう二度とこんな情けない
ことにはならないぞ」「もっと慎重にやればいいんだ」と思い直すことになるなら、
愚痴だって捨てたものではないのです。
困るのは、人のせいにすることです。よく耳にする酒場での愚痴話のほとんどは結局、
憂さ晴らしです。責任を周りに押しつけて、自分ひとりが悲劇の主人公、
不運な被害者になって、恨みつらみをつぶやくのです。
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