3.統計の見方
仕事の上で、統計を資料として利用したり分析したりすることがある。
よくあることだが、統計というと何でも鵜呑みにしてしまうことが多い。もっともらしい
数字に惑わされないように、統計資料を見る時には次の点に注意することが必要である。
(1)統計の出所に注意する
まず注意すべきは、調査機関である。特定の機関が調査したものなら、偏りが
あるかもしれない。また、営業的な目的を持った調査で、都合のよい結果だけを
発表したものかもしれない。
(2)調査数・調査対象に注意する
「5百社を対象に調査」というようなタイトルにごまかされないこと。回答率が
10%なら、わずか50 社の調査結果にすぎない。また、調査対象(サンプル)が
偏っていないかも注意する必要がある。
(3)パーセントにごまかされるな
実数が示されていない統計を鵜呑みにすることは、信頼性の点で危険である。
AとBについて「Aの人33.3%、Bの人66.7%」というともっともらしいが、
実はわずか3人を調査しただけでAが1人、Bが2人だったのかも知れないのだ。
Aの賃金は10%、Bの賃金は11%アップした。だから、AとBの格差は縮まった
と思いやすい。Aの賃金が50 万円、Bの賃金が40 万円だったとすれば、
その差は10 万円から11 万円にむしろ開いたことになる。 以上
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