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第82回
数字を扱う(2)<統計の見方>
2010/9/1


3.統計の見方

  仕事の上で、統計を資料として利用したり分析したりすることがある。
 よくあることだが、統計というと何でも鵜呑みにしてしまうことが多い。もっともらしい
 数字に惑わされないように、統計資料を見る時には次の点に注意することが必要である。

 (1)統計の出所に注意する
  まず注意すべきは、調査機関である。特定の機関が調査したものなら、偏りが
 あるかもしれない。また、営業的な目的を持った調査で、都合のよい結果だけを
 発表したものかもしれない。

 (2)調査数・調査対象に注意する
 「5百社を対象に調査」というようなタイトルにごまかされないこと。回答率が
 10%なら、わずか50 社の調査結果にすぎない。また、調査対象(サンプル)が
 偏っていないかも注意する必要がある。

 (3)パーセントにごまかされるな
  実数が示されていない統計を鵜呑みにすることは、信頼性の点で危険である。
 AとBについて「Aの人33.3%、Bの人66.7%」というともっともらしいが、
 実はわずか3人を調査しただけでAが1人、Bが2人だったのかも知れないのだ。
 Aの賃金は10%、Bの賃金は11%アップした。だから、AとBの格差は縮まった
 と思いやすい。Aの賃金が50 万円、Bの賃金が40 万円だったとすれば、
 その差は10 万円から11 万円にむしろ開いたことになる。         以上

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